たけのノート

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坂茂展に行ってきた

 こんにちは、しばらくぶりです。ぼちぼち学校では空間デザインの課題が出始めているんですが、人の課題を見るのがすごく面白いです。もちろんfunnyじゃなくinterestingの方の意味です。これは独学じゃできないことだなー、と感じます。

 先週はというとギャラリー間(通称:ギャラ間)にお邪魔してきました。今回は坂茂(ばんしげる)展の感想です。

 

展覧会名:坂茂:プロジェクツ・イン・プログレ

会場:TOTOギャラリー・間、東京(乃木坂)

会期:2017年4月19日~7月16日

 

 数年ぶりにギャラ間に来ました。トイレで有名なTOTOが社会貢献活動の一環として運営しているギャラリーで、デザインと建築の展示に特化しています。公式サイトの紹介によると、1985年10月にオープンしたそうです。同ビルの別階にはデザイン・建築関連の書籍を販売しているブックショップも入っています(建築雑誌などのバックナンバーが読めるブースあり)。社会貢献活動ということで、展示の観覧料は基本的に無料。学生には嬉しい。乃木坂駅を出てすぐの場所に位置しておりアクセス良好なのに、混んでいることが多くないのでゆっくり楽しめます。ちなみにこの日の帰りに国立新美術館に立ち寄ったら、草間彌生展は相変わらず長蛇の列でした。

 

 今回は館長さんによるギャラリーツアーに参加してきました。参加人数は10人強くらいだったと思います。3階、中庭、4階が展示会場なのですが、その展示物のほとんどすべてについて解説をしてくださいました。参加は予約不要で無料です。館長さんが展示準備時のエピソードや坂先生に関するお話まで、楽しく色々とお話ししてくださっていたら、あっという間にツアーが終了。これは参加しないのは損だと思いました。

https://www.instagram.com/p/BUQdaHIFuR-/

※画像をタップするとたけのInstagramに飛びます。写真は実際の建築物の壁面に使われている木製パネルです

 

 さて、この坂茂プロジェクツ・イン・プログレス展は、その名の通り現在進行中のプロジェクトをメインに据えた展示です。坂茂さんといえば、熊本での震災時に避難所となった体育館に、紙の筒を使って「個室」を作ったことでも注目を集めました。パリでこの春にオープンした、ラ・セーヌ・ミュージカル(坂茂さん最大級のプロジェクト)の建築の中にも、この紙筒を用いた構造が用いられているそうです。精緻に作られたラ・セーヌ・ミュージカルをはじめとする模型の数々や、コンペ用のコンセプトムービー、建設中の建築構造の部分モデル(という言い方で合っているか分かりませんが)は、とても見応えがありました。最近は建設中の模様を記録するのに、ドローン飛ばして映像を撮るみたいですね。

 展示物のなかには、会期の3日前に坂さんが「これも入れよう」といって追加されたものもあるとのこと。館長さんによると、他の建築家の方でも同様のケースは少なからずあるそうです。会期中にレイアウトを変えることになったこともあるんだとか。

 

 それはさておき記憶に残ったのは、坂さんが熊本震災の3日後には現地入りして活動を始めたというお話です。見知らぬ誰かのために何かをする、ということを迷わず出来る人に、悪い人はいないだろうし、簡単にできることじゃない。わたしもそんな大人になりたいな、と思うのでした。

 

※オススメのさんぽルート

青山一丁目駅で下車、草月会館丹下健三の建築→1977年に再建)でイサムノグチの石庭を見てからConnel Coffeee(nendoが運営)で一息ついて、Cassinaでデザイナー家具を見て回って、ギャラ間まで歩くコース。

 

 

次回はデザインサイトの話の予定です。それではまた!