たけのノート

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美術館めぐりの雑記帳

ソール・ライター展に行ってきた

こんにちは!ここ最近かなりのペースで企画展を見られています。良いのか悪いのか、ちょっとお腹いっぱいのまま消化不良になりそうな気もする。(機会が目の前にあれば行きたくなるんだから仕方ないけど!)

  そんな中でも、写真展を見に行ったのは久しぶりでした。ソール・ライター展の感想を書きます。美しかったです。

 

 展覧会名 : 「ニューヨークが生んだ伝説  写真家  ソール・ライター展」

会場 : Bunkamura ザ・ミュージアム

会期 : 2017年4月29日〜6月25日

 

   ソール・ライター(1923-2013)は、ファッション写真の仕事を通して脚光を浴びたが、表現としての写真を追求する道を選んだアメリカの写真家。商業写真の世界を退いたのち、暫く世間から姿を消しています。後年になって、とあるきっかけで出版された彼の写真集が注目を集めたことにより写真家としての評価が高まりました。

 

 ・・・というライターの経歴を全く知らず、今回は学生時代の友人のお誘いで見に来た訳なんですが、ファッションもアートも好きな私にとって面白くないはずが無い。前衛的なアート写真家のものと違って、彼の作品は良い意味で「取っつきやすい」印象でした。ファッション誌を飾っていた作品はもちろんのこと、それ以外の写真も美しく、日常の一幕を切り取ったようなシーンがほとんどです。

※ちなみにライターは1960年代、 Harper's BAZAAR という最も歴史が長く世界的にも有名な女性ファッション誌のための仕事をしており、作品は多くのページを飾っていました。今回の展示では、この頃の商業作品と、主に屋外・ストリートで撮った40年代後半~60年代前半頃の作品、ヌード写真、水彩による絵画作品が展示されています。「ふだん写真展なんて行かないけど雑誌は好き!」なんて人にもオススメです。

 https://www.instagram.com/p/BTnbd0sFa-3/

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 作品を見ていて思ったのは、ピクトリアルな / 絵画的な写真が多いということ。展覧会のフライヤーを見ただけでも、色彩や構図の美しさ、雨に濡れたガラスや雪といった質感の表現など、際立つ要素はどれも絵に描きたくなるようなものばかりでした。(わたしは描けないけどね。描けたらいいな。)それから、人の気配や物語性を感じる作品ばかり。被写体の全身が鮮明に写されるのではなく、その一部か、後ろ姿か、といった具合です。色んなことを想像できるのは、とても面白い。

 出来たら80年代以降の隠遁生活中の作品なんかも見てみたかったな。公開されないんだろうか。

 

 ところで展示室の壁面には、ところどころにライターの残した言葉が書かれています。上に挙げたような作品の特徴の理由が、それらにも詰まっているように感じました。

 

 さて、もともと絵画が中世、近世までビジュアルメディアとしての役割を果たしていたけれど、写真が19世紀に発明されてから、その役割は写真に取って代わられてきました。(ルネッサンス以降、絵画は徐々に芸術の役割に特化していく。)そして写真は発明当時から変わらず、メディアと芸術、両方の役割を担っています。インターネットとスマホのおかげで、とても身近になった「写真」は、これからどんなふうに変わっていくんだろう、なんて考えてしまいました。

  話が逸れましたが、とても良い展示でした。わたしは当時のニューヨークの街なんて当然見たこともないけれど、彼の写真を見て想像して、同じ街の空気を吸えたような気分です。これから行かれる方は、公式Webサイトの「見どころ」ページを見てから行くと、より楽しめると思います!

 

帰り道に良いカメラが買いたいなんて思ってしまったのは、わたしだけじゃないはず!Bunkamuraの向かいに15時オープンのクラフトビールのお店があって二人で吸い込まれていったのだけれど、酔った勢いで電気屋に寄らないで本当によかったな。