たけのノート

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『空間メディア入門』を読んでみた

こんばんは。今回は地元の図書館で借りて読んだ本のメモです。

 

平野暁臣(2009)『空間メディア入門 僕たちは空間を使って何ができるのか』イースト・プレス

 

 著者の平野氏は空間メディアプロデューサーとして、イベントスペースから美術館のプロデュースまで様々な領域で活躍されている。岡本太郎の事実上の甥で、現代芸術研究所を主宰。(空間メディアプロデューサー、という字面と初対面。肩書って名乗ったもん勝ちだ、みたいなことを先生が言ってたな。)

 中身は、平野氏が各所で行った講義内容を再構成したもの。189ページと写真ページがあるが、行間が広く読みやすい分量。

 

【概要】

デジタル技術・インターネット社会が発展した今、情報のありかたやコミュニケーションのありかたが大きく変容している。この状況下において、メディアとして空間にしかできないことは何か、空間が実現できるコミュニケーションとは何か。

【気になったポイント】

・空間メディアにしかできないこと:体感、体験

・バーチャルはリアルへのトリガー(SNSが流通したから同窓会が増えた/ネットで口コミを見てから選ぶ・行く・買う)

・空間で語る―岡本太郎の葬式の場合

・一つの空間メディアを、次のイベントにリンクさせる(後付けでなく計画的に)

・「納得」ではなく「感知」を目指す(音や匂い、身体感覚に訴える)

・空間は「触発する」「背中を押す」メディア(完パケにして与えるのではなく)

・「腑に落ちる」浴びる→気づく→つかむ→つなぐ

 

 非常に分かり易かったです。これから空間デザインをしていく上で頭の中に入れておいたら、考えるときに何かのヒントが得られそう。美術館に関する記述のなかで、美術館を十把一絡げにしてる感が否めないところだけはギモンに思った。でも大体おっしゃる通りと思った。講義があったらぜひ聴講したい!