たけのノート

展示とお店と散歩

出掛けて見て来たものにまつわるメモとか

美術館の都市空間化について考えてみた

美術館がエンタメ空間化している。

なーんて、大それた論を書くほどのご身分じゃないのは分かっちゃいるけど、思ったことは書いてみる。

 

つい最近、美術館の都市空間化について書かれた新聞記事を読んだ。ざっくり説明すると、旧来の静かに鑑賞する場としての美術館ではなく、集う、遊ぶ、といった都市的機能を併せ持つ美術館が目立つようになった、というお話である。確かにレストランやカフェはお洒落になってるし、イベントスペースではワークショップが盛んに催されているし、Instagramに上げるためと思われる写真を撮って楽しんでる人たちも沢山いる。

https://www.instagram.com/p/BcEKtLElKit/

画像は渋谷にて撮影。

 

記事の中で「都市空間」がどう定義されているかにも寄るけれど、私の中での都市というものは、病院など生活に不可欠な場所もあり、遊べる場所もあり、食う寝るための場所もあり、ショッピングもできちゃう、みたいなイメージなのだ。そう考えると、上に書いた美術館像は、もっと楽しむことに特化したレジャー施設のような印象を受ける。例えるなら遊園地かな?シンボルになる建物や庭があって、アトラクションやシアターがあって、ご飯も楽しめて、なぜか記念撮影したくなっちゃう、そんな場所な気がする。(ちなみに筆者は記念撮影が苦手。)

 

語弊を恐れず言うなら、分かる人にしか分からないお堅い知的文化的施設が、楽しいことができるみんなの場所へと変わってきたのだ。多分。

美術館に足を運ぶ人の幅は大きく広がったと思う。アートがより身近になったと思う。作品と鑑賞する人とを関わらせる装置が変わって、関わり方や受け取られ方が変わって、作られ方も変わってきている。(どこが起点かという話は難しいのでまた今度。そもそもアートと市民の関わる場は美術館の外まで広がっているから、ここでの装置の話も足りていないけど。)

 

 

今や、キラキラした美術館にならなければ人が呼べない時代になっている。個人的には楽しいと思うけれど、難しい時代なんだなーとも感じる。

 

人を呼べるエンタメ美術館が増えたことで、そのうちまた新しいかたちの美術館も求められそうだ。