坂本龍一 設置音楽展に行ってきた
こんにちは。ワタリウム美術館がもっと若い人たちに知られてほしいような、このままで丁度いいような、そんなことを思う今日この頃です。本当に好きなお店は隠れ家のままであってほしい、というのと似た感じです。4月から開催中の「設置音楽展」を見てきた感想を書きます。
展覧会名:坂本龍一 設置音楽展 Ryuichi Sakamoto async
会場:ワタリウム美術館、東京(外苑前)
会期:2017年4月4日~5月28日
外苑前駅から徒歩5分くらいで行けるワタリウム美術館。2013年のJR展で貼られた外壁の顔写真たちは、ほとんど剥がれてきていました。これはこれで風情がある。
さて、今回の展示は、2階、3階、4階、地下1階の順で見るように説明を受けました。2階は坂本龍一の新作アルバム『async』全曲が試聴でき、書籍やメモなど彼が影響を受けたものが展示されていました。3階・4階は映像と音楽のインスタレーション、1階ではアルバムへのコメントを自由に書き残せるようになっており、地下ではアナログ盤の試聴ができます。
鳥肌が立ちました。坂本龍一さんの音楽については全く詳しくないのだけれど、深く音楽に体を埋めたような感覚が久しぶりで、アルバム曲が一周するまで座ってしまいました。3・4階のインスタレーションも良かったのですが、わたしには2階の印象が強すぎた。
※画像をタップすると たけのInstagramが開きます。曲中に登場する詩が、壁に書かれていました。会場内の撮影は静止画のみ、シャッター音とフラッシュが禁止だそうです。
よく分からないという人も、とりあえず行ってみたら、外に出たあと周りの音に耳を澄ませたくなるかもしれない。ふだん着けてるイヤホンを外して歩きたくなるかもしれない。なんでもない景色をじっと見ていたくなるかもしれない。と、思います。『async』については、この記事が興味深かったです。
ちなみに音響はムジークエレクトロニクガイザインという(知る人ぞ知る、なのかな?)メーカーの製品が使われており、座席のベンチはgrafの服部滋樹さんが特別に制作されたオリジナルのものだそうです。音の反響が少ないシンプルなかたちで、ヒノキの香りが音と混ざって、なんとも言えない良い具合でした。
自分にいったい何ができるか分からないけれど、頑張って勉強しようと思いました。
追記:国立新美術館に寄ったついでに図書室で5月の美術手帖を読んできました。『async』と今回の設置音楽展に関するロングインタビューが掲載されていて、読み応えがありました。